魔法の図形

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第T章
 序
 T-1.シンプルな図形 T-2.様々な星型の図形
第U章 ソロモン王の魔法円
 
序文 U-1.土星の魔法円 U-2.火星の魔法円
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参考文献:
 "黄金の夜明け魔法体系4 召還魔術" (著:イスラエル・リガルディー、翻訳:日浦 幸雄、責任編集:秋端勉、発行:国書刊行会)
 "エピソード魔法の歴史 黒魔術と白魔術" (著:G・ジェニングズ、翻訳:市場 泰男、発行:(株)社会思想社)
 "魔女の秘法 白魔術と黒魔術の秘密" (監修:魔女バベッタ、佐藤有文、発行:KKワールドフォトプレス)


第T章 序
 ファンタジーでは、様々な魔法が登場し、それとともに魔術的な意味や力を持つ、いわゆる魔法陣と呼ばれる図形や印象が登場することも少なくありません。ここでは、これらの魔術的図形について、少しずつ紹介していきます。

 古い時代から、神秘的な力を呼び集め、超自然的な存在と接触をとるため、また自らに対して害となるものを防ぐためや、逆に益となるものを招くため、様々な目的でいろいろな図形が用いられてきました。これらは何らかのものを象徴する図形だったり、図形そのものに意味を持たせたものでした。やがてこれら図形は複雑に組み合わされ、より複雑な魔法円、魔方陣などが考案されていくこととなりました。
 第T章では、魔法図形の基礎となる単純な図形についてお話しします。

T-1.シンプルな図形


円 
 古代から様々な図形が魔術、妖術、まじないと呼ばれる類のものに用いられてきました。これらは時には不思議な力を得るために、時には何かから身を守るために使われてきましたが、その最も古いものは円(○)であるといわれています。円は偉大なる太陽、生命の種たる卵、巡り来る車輪、神秘的な力をもつ眼など、いろんなものを象徴するもの図形でもありました。「円」は魔術において、最もシンプルな形をした魔法円でもあります。

三角形 
 円よりはいくらか新しいと考えられているのは三角形(△)です。この形も円と同様、様々な魔術などに、ある時は単体で、ある時は他の図形と組み合わせて使われました。三角形の3つの角には特別な意味が重ねられて考えられました。大地と水と空、父と母と子、現在と過去と未来、キリスト教的には父と子と聖霊など…。これ以外にも3という数字で表されるものは多く、それこそ際限なくいろいろな意味を重ねることができるかもしれません。また三角形という形が見た目に安定感を感じられる形をしているという事も、いろいろなところに用いられる別の理由の一つなのかもしれません。

十字 
 十字、十字架は、今では完全にキリスト教のシンボルとして扱われることが多いのですが、キリスト教のシンボルとして採用されるより以前には、様々な魔術的意味をもった図形の一つとして扱われていたようです。大宇宙または大自然の中心に立つ人間を表していると考えられたり、何らかの目的(願望)や精霊や魔物をどこかに固定し釘付けするための記号としても用いられたとか。またシンプルに「死」を表す形としても用いられました。倒れた人の形を表すと考えられたのかもしれません。今でこそキリスト教の十字架ですが、この「死」を表す形だからこそ処刑に使われたのでしょう。中世ヨーロッパなどでは「剣」がある種特別な意味をもつ武器として扱われていましたが、これは剣の形、鍔と本体が交叉して十字架を形作っているというのが大きな理由になっているようです。

四角形 
 魔術的図形としては四角形はあまりメジャーではないような気もしますね。しかし四角形の中を縦横の線で方眼のように区切ってその中に数字を入れ、「縦横」「斜め」の数字の合計がどこをとっても同じになるようにした「魔方陣」は、多少は有名かもしれません。「どの列も数字の合計が同じ」という、なんとなく不思議げな(笑)(昔の人にとっては本気で不思議な)この「表」には不思議な力があるとされ、魔術的な護符などとして用いられたようです。高度なものではないにしろ、やはり魔術にもちいられたようですから、一応は魔法の図形としておきましょう(笑)。
 四角形の四つの角には、「魔術的に解釈しようとすれば」それなりに、魔術的な意味を見出すこともできます。多くの国々の魔術や呪術では、「東西南北の方角」、「4つの季節」、「地水火風の4つの元素」「4大天使」などが重要視されることがあります。この「4つの要素」を象徴する「4つの角」をもつ四角形は、魔術的意味をもっていると考えられても不思議ではないでしょう。四角形だけでなく、他の図形と組み合わせられた「魔法円」や「魔方陣」も使われたかもしれませんね。



T-2.様々な星型の図形
 魔術では様々な星型が使われています。これらはいろんなファンタジー小説やゲーム、コミック作品などでもよく描かれ、描写されているので、比較的頻繁に目にすることができるでしょう。魔術に関係する星型とはいっても様々なものがあります。

五芒星
 まず最初に、最もメジャーな魔法の星といえば「五芒星」(ペンタグラム)があげられるでしょう。この5つの角をもつ星型は、古い時代から魔術、まじないなどに用いられてきた図形の1つです。これは最初からこの星の形だったのではなく、もとは正五角形であったともいわれています。なぜ五角形だったのかはよくわかりませんが、古い時代の魔術師たちは「イエス」の誕生を告げ、ベツレヘムの夜空に輝いた星は五角形であったと主張していたそうですから、その辺りが起源なのかもしれません。またこの図形の5つの角は、「魔術の5つの特性(?)」、「人間の五感」、「人間の手足と頭」など、神秘的な5つの要素を表すともいわれています。
 さて、この正五角形からやがて五芒星が派生するわけですが、そもそもはこの五角形の内側の角を結んだ対角線だったようです。この対角線の起点は真上の角で、そこから左下の角へ、そして右上の角、左上の角、右下の角ときて最後に真上の角へと戻ります。これで一筆書きの如く、綺麗な星ができあがります。これらの各々の対角線には実は神秘的で哲学的な意味があるそうで(ここでは述べませんが)、この順序で描くのが本当のようです。ちなみに自然界の4大元素を象徴した五芒星を描く場合には、これとは異なる描き順で描かれることもあるようです。
 五芒星が一つの角が上を向くように描かれた場合は、「神」を表し、良い精霊を呼び出したりする時に用いられ、角を下に向けて描かれた星は悪魔サタンを表すとされ、悪い精霊を呼び出したりする際に使われたりと対照的な意味があります。
 ファンタジーでも、単に魔術的な意味合いでもって使われたり、逆五芒星で邪悪な魔術の象徴として使われていたりしますから、様々な映画やイアラストなどで目にすることも多いでしょう。実際、ファンタジーでオリジナルな魔法円を登場させたり描写する際にも、ペンタグラムはその知名度、認識度の比較的な高さからして"ベース"として使い易いことでしょう。

六芒星
 今日「ダビデの星」「ユダヤの星」とも呼ばれる「六芒星」は、2つの三角形をからみ合わせ、組み合わせた図形です。この星はギリシャ・ローマの時代ぐらいからはユダヤ教のシンボルとして知られていますが、それ以前にも既に魔術的なシンボルとして伝えられていたようです。魔術師たちはこの星型を「とある魔神」の足跡を表したものと考え、「召還儀式」などにも用いていたのだとか…。また錬金術師の間では、この六芒は「水(▽)」と「火(△)」の対象的な2つのシンボルを組み合わせたものと考えれ、やはり神秘的な用法がとられたようです。
 今では一般的にユダヤ教のシンボルとされ、イスラエルの国旗にも描かれているこのヘキサグラムです。日本では家庭用ゲームソフト「女神転生」(2だったかな?)の悪魔合体のシーンにこのヘキサグラムが使われていましたが、海外版として国外へ輸出する際、特定の宗教等を表すものではないがクレーム等に配慮する、として図形を変更したという経緯もあります。それくらい、この図形は今ではユダヤと密接に結びついているようです。


七芒星
 全周360°÷7は…割り切れませんね。そうです真に正確な「正七芒星」というものは描くことはできません(限りなくそれに近いものは描くことはできますが)。「全周360°」という概念がいつの頃の時代からあったのかはよくわかりませんが…。本来は不可能なこの図形、それを転じて「不可能を可能にする」という意味合いで用いられたもののようです。しかし様々な魔法円の中にあって、この「七芒星」がものすご〜くマイナーなものである事には違いなく、魔術関係資料を参照してもまず載ってません。かく言う私も1〜2回くらいしか見たことはありませんし。ですから映画やその他ファンタジー作品などにもまず登場することはないでしょうね(笑)。


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